平成16年度
平成16年度水曜会大会は6月12日(土) に京大会館において開催され,懇親会,記念撮影,総会および特別講演会が行われた.本大会の参加者は約70名であった.
懇親会は,京大会館101号室にて12時00分よりおよそ1時間開催された.芦田讓教授の司会のもと,まず齋藤敏明教授の開会の挨拶があり,次いで村上陽太郎名誉教授の音頭で乾杯が行われた.会は終始和やかな雰囲気であった.
懇親会時には小雨模様の天候であったが,幸いにも懇親会終了頃には雨も上がり京大会館前にて恒例の記念撮影が行われた.その後,会場を210号室に移し,13:30より総会が開かれた.総会は田中功教授の司会で議事が進められ,まず,齋藤敏明会長から平成15年度の事業報告がなされた.次いで青木謙治会計幹事から会計報告,粟倉泰弘会計監事から監査報告がなされ,いずれも承認された.続いて次期会長の推挙がなされ,新会長に牧正志教授が選出された.牧新会長から就任の挨拶と抱負が語られ,13:55に総会は終了した.
引き続き,特別講演会が開催された.本年度は次の2つの講演が行われた.
「アルミニウム産業の成長を支える材料技術 ―現状と課題―」
住友軽金属工業(株) 専務取締役 永田公二 氏
「事故災害防止のためのリスクマネジメント」
横浜国立大学 教授 小川輝繁 氏
これらは記念講演として本誌に掲載されているが,永田氏は近年アルミニウム産業が成長してい要因として,アルミ缶の急増,自動車の熱交換器,ボンネントなどの自動車パネルが銅や鉄からアルミニウムに転換されてきていることを挙げられた.また,顧客のニーズの厳しい日本のアルミニウム企業がダイナミックな事業戦略でグローバルな展開を図っている欧米のアルミニウム企業や今後近代化により成長の激しい中国のアルミニウム企業との競争に打ち勝つためには,技術の優位性を保つことが重要であり,そのためには産学連携をさらに機能的に行うことが重要であることを強調された.また,小川氏は事故災害防止のリスクマネジメントとして,リスクの特定,算定,評価,対策が適切に行われる必要があり,これまでの経験に基づく問題発生対策型のリスクマネジメントから理論に基づく問題発見型のリスクマネジメントに転換する必要性を説かれた.これらの講演はいずれも,非常に興味深く,参加者は熱心に傾聴した.平成16年度水曜会大会は,この講演終了後,午後4時過ぎに閉会した.